2020-08-20 (Thu)
08:43
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10年ぐらい前の皮膚常在菌についての資料には、アクネ桿菌はニキビの原因であり、悪玉菌に分類されるとありました。
よって、ニキビ対策にはアクネ桿菌を除去する目的で殺菌剤配合の石鹸や化粧水を使用するように指導されていました。
ところが、最近になってニキビの原因はアクネ桿菌ではなく、毛穴が詰まることが直接の原因であることがわかってきました。
毛穴が詰まることによって、空気を嫌う(嫌気性)アクネ桿菌が毛穴の中で増殖しニキビを作ります。
毛穴が詰まらなければ、そもそもニキビはできないのです。
よくよく調べていくと、アクネ桿菌はニキビの原因どころか、毛穴の掃除をしてくれる働き者だったのです。
現在はアクネ桿菌は悪玉菌ではなく、日和見菌(善玉菌と悪玉菌のバランスで多い方の味方をします)に分類されます。
アクネ桿菌を殺す目的の雑菌剤配合の石鹸などを使うと、善玉菌(美肌菌)と言われるお肌に良い菌まで殺してしまうことになり、お肌全体の健康(肌バリア)が損なわれることになります。
残念なことに、化粧品会社の中には、未だに10年前の教科書に沿って商品の開発をされているところがあります。
勉強不足なのか、いまさらアクネ桿菌は悪玉菌ではなかったという事にすると商品展開上困るのか、アクネ桿菌を増やさない方法とか無理くり理由をつけて商品展開されていたりします。
先日、サロンさんからの質問で
「グリセリンはアクネ桿菌が好むから使用しない方が良いですか?」
と質問を受けました。
確かに、アクネ桿菌はグリセリンを好みます。
思春期でニキビの多い人はニキビが増える可能性があります。
しかし、それは直接的な原因でなく、毛穴が詰まりやすい状態になっていることが原因です。
基本は洗顔。
洗顔をおろそかにして、化粧水やらニキビ対策商品を使うから増えるんです。
しかし、アクネ桿菌は先ほども言いましたが、空気を嫌う性質をもつので、いくらグリセリンを与えても毛穴が詰まって空気を遮断する環境がない限り、永遠に増え続けるものではないのです。
また、肌の常在菌は人の皮脂を分解して「グリセリン」と「脂肪酸」を作ります。
これが天然の乳液と言われるものです。
外部から与えなくても自然と健康な人の肌の上ではグリセリンが生成されているのです。
ここを説明せず、「グリセリンフリー」とキャッチコピーで製品を展開する会社もあるので要注意ですよ。
まずアクネ桿菌を悪玉菌と説明している時点でOUTです!
ニキビのケア方法については以下の動画を参考にしてください。
【正しいニキビのケア方法】アクネ菌は悪くない!ニキビの原因と対処法
Last Modified : 2020-08-20